私たちは、赤ちゃんからお年寄りまで、口の働きが一生を通じて十分にかされることを支援し、健康の回復・維持・増進に寄与します。

ご挨拶

口の働き

口の機能とは、呼吸や摂食嚥下といった基本的な役割から、話すことや食べ物を味わうことという高度な人らしく生きるための機能まで幅広いことを皆様は認識されておられるでしょうか。ただ血液の中に酸素を取り入れるといったガス交換や血液中の栄養を高める意味であるならば、人工呼吸装置や点滴で済ませられることになります。しかし現実にヒトとしていきるという事では、口の役割はこれらの人工的なものとは大きな違いがあることは誰しもが同意されることでしょう。

ペンフィールドの「脳の地図」近年様々な疾患により脳の活動レベルが下がった方々のリハビリに関心が高まっています。乳幼児の中枢性疾患もあり、高齢者の脳梗塞や認知症もあり、様々な形で多くの方々やそのご家族がリハビリに励んでおられます。私たちはそのなかで口の機能のリハビリがその第一歩だと考えております。

口から摂食することは、口腔に集中する様々な感覚神経や運動神経を刺激し、さらに脳幹延髄に存在する咀嚼(噛む事)や嚥下(飲み込む事)の複雑な神経ネットワークを活性化させる事で、上位の脳活動を誘発する脳の生理活動として知られています。口腔ケアとは虫歯や歯周病予防のための口腔内の清掃とよく誤解されていますが、本来口腔清掃はもちろん摂食・嚥下・発音などの機能的なケアを含めた形で行われるべきなのです。さらに患者様にとっても食事に悩み、食事を分かち合うことで会話だけでなく食事によっても社会とコミュニケーションをとることが生命の存在と言う観点でも非常に重要と考えます。

これまでの活動、これからの活動

以前より大阪大学歯学研究科のメンバーが中心となり、歯科クリニック、総合病院、高齢者施設の有志達が摂食嚥下障害について意見交換やセミナーを行ってきましたが、今回、NPOという形でこの問題について職種を越えてコミュニケーションをとる場を設け、賛同する個人や法人の参加を得ながら、支援の対象となる人たちに適切なサービスを提供することで、社会に貢献したいと考えております。
このNPOは摂食嚥下に関する情報・知識・技術の提供、適切な専門家としての人材育成を目的としております。乳幼児から高齢者にいたるまで支援の対象となる口腔ケアを必要とする方々は近年増加傾向にあります。このような中でNPOとして少しでも役立つ専門家を供給できますようできる限りの努力をいたしますので、関心をもっていただけましたら幸いに存じます。

代表 古郷 幹彦

口腔ケア・嚥下治療の支援

病院では、口腔ケアや嚥下治療を必要としている患者さんが多くおられます。
しかしながら、病院に歯科がない、嚥下に詳しいスタッフがいない、等々といった理由から患者さんのニーズに応えられないことがあります。摂食介護支援プロジェクトでは、このハード面の不足を補うことにより、口腔ケアや嚥下治療の支援を行っています。
具体的には
・口腔ケア、嚥下治療に関する院内勉強会の講師派遣
・病院での口腔ケアを専門とする歯科医院の紹介
・栄養・嚥下の知識をもった歯科の派遣(NSTチームへ参加)

以上を行っています。
嚥下の知識を持った歯科と勉強会講師の派遣を行った大阪府の総合病院のケースでは、「病棟のイヤな臭いが減った」、「NSTが充実した」、「嚥下障害のニーズに応えられるようになった」と好評を頂いています。

施設での口腔ケア・嚥下介助の支援

高齢者や障害者にとって口腔ケアは重要です。ご存じのように、口腔ケアは虫歯や歯周病の予防に重要なだけでなく、肺炎の予防にも効果があることが分かっています。また、施設には誤嚥がみられる方も多く、適切な食事介助、入所者個人に会わせた食事メニューの決定は、誤嚥性肺炎の予防に直結します。摂食介護支援プロジェクトでは、施設での口腔ケア、嚥下介助の支援を行っています。
具体的には
・口腔ケア、嚥下障害に関する勉強会の企画、講師派遣
・肺炎予防のための口腔ケアの技術提供
・食事介助方法、食事メニュー決定のアドバイザー(嚥下専門医)派遣
・嚥下に関する相談、質問受け付け

以上を行っています。
実際に嚥下に関する支援を始めた施設(大阪府の特養)では、「スタッフが嚥下に関心を持つようになった」、「嚥下の相談ができるので安心できる」といった効果が出てきています。今後は肺炎の頻度、発熱の頻度等のデータを検討していく予定です。

歯科往診における嚥下治療の支援

往診の歯科のニーズが高まっており、最近は在宅往診をする歯科医院が増えてきました。患者さんや介護者の方にとっては、歯科は最も「食べること」に近い診療科です。そのため、嚥下に関する質問や依頼が、往診している歯科に来ることが多いようです。摂食介護支援プロジェクトでは、そのような依頼や質問に応えるべく、歯科往診における嚥下治療の支援を行っています。また、積極的に「嚥下往診を始めたい」という歯科医院の技術、知識のサポートも行います。
具体的には
・嚥下治療の勉強会、講演会の開催
・嚥下専門医、嚥下専門衛生士の研修・認定
・嚥下に関する相談、質問受け付け

以上を行っています。
嚥下往診をはじめた歯科医院では、歯科治療と嚥下治療という2本柱で、在宅患者さんの「口から食べる」というニーズに応えています。
「嚥下も診てもらえる歯科医院」として、在宅患者さんからのオーダーも増えています。

事業内容

役員紹介

理事長
古郷幹彦(大阪大学大学院 教授)
副理事長
阪井丘芳(大阪大学大学院 教授)
副理事長
小倉孝文(市立堺病院 歯科口腔外科部長)
理事
野原幹司(大阪大学大学院 准教授)
理事
石井庄一郎(近畿中央病院 口腔外科 医長)
監事
前田興二(税理士法人ほはば 代表税理士)
教育顧問
中野恭一(医療法人社団生和会 登美ケ丘リハビリテーション病院 院長)

ページトップへ